「エンゲージメント」という言葉を聞いたことがあるでしょうか? 最近は、ビジネスやマーケティングの世界で、この言葉がよく使われるようになってきました。本記事では、「エンゲージメント」とは何か、そして、なぜエンゲージメントが重要なのかについて、詳しく解説します。
目次
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エンゲージメントとは何か
「エンゲージメント」とは、「関与」や「参加」、「熱意」といった意味を持つ英単語です。ビジネスやマーケティングの分野では、主に以下のような意味合いで使われている。
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ウェブサイトやSNSの利用者の参加度合い
ウェブサイトやSNSにおいて、ユーザーがどの程度サイトやコンテンツに関与し、活発にコミュニケーションをとるかを表す指標として使われる。
たとえば、ブログやSNSの投稿に対する「いいね!」の数やコメント数、シェア数がエンゲージメントの指標になる。
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従業員のモチベーションや忠誠心の度合い
従業員が、企業に対してどの程度熱心に取り組んでいるかを表す指標として使われる。
たとえば、従業員の生産性や労働環境に対する満足度、企業の目的や価値観に共感しているかどうかがエンゲージメントの指標になる。
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顧客のブランドへの忠誠心の度合い
顧客が、あるブランドにどの程度愛着を持ち、継続的にそのブランドの製品やサービスを利用するかを表す指標として使われる。
たとえば、顧客があるブランドの製品を購入する頻度や、そのブランドに対する評価がエンゲージメントの指標になる。
●エンゲージメントは、企業やブランドにとって非常に重要な要素とは
売上や利益の向上 エンゲージメントが高い顧客や従業員は、製品やサービスに対して熱心であり、継続的に利用したり買ったりする傾向がある。従業員のエンゲージメントが高い場合、生産性や創造性が向上し、顧客満足度も高まるため、企業の売上や利益を向上させることができる。また、顧客のエンゲージメントが高い場合、リピート購入や口コミによる拡散効果が期待できるため、売上や利益の増加につながる。
ブランド価値の向上 エンゲージメントが高い従業員や顧客は、その企業やブランドに対してポジティブな評価を持っている傾向がある。そのため、ブランドの知名度や信頼性が向上し、ブランド価値を高めることができる。また、顧客がブランドに愛着を持ち、継続的に利用する場合、ブランドロイヤルティが向上し、競合他社との差別化を図ることができる。
長期的なビジネス成長の促進 エンゲージメントが高い従業員や顧客は、企業やブランドの目的や価値観に共感しているため、長期的なビジネス成長につながる。従業員は、企業の目的やビジョンに共感し、その実現に向けて熱意を持って取り組むことができる。また、顧客は、ブランドの価値観に共感し、そのブランドの製品やサービスを選び続けることができるだろう。
エンゲージメントは、従業員や顧客など、関係者によって異なる種類がある。
・従業員エンゲージメント
従業員エンゲージメントは、従業員が企業に対して強い愛着や忠誠心を持ち、
組織に貢献する意欲を高めることを指す。従業員エンゲージメントを高めることで、従業員の生産性や離職率の低下など、企業にとって重要な効果が期待できる。
・顧客エンゲージメント
顧客エンゲージメントは、顧客が企業やブランドに対して深い関心や愛着を持ち、継続的に購入や利用を続けることを指す。
顧客エンゲージメントを高めることで、顧客のロイヤルティーや口コミによるマーケティング効果の向上など、企業にとって有益な結果が期待できる。
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エンゲージメントが注目されている理由
昨今、「人的資本経営」という言葉をよく耳にする機会が増えてきた。
それもそのはず政府が舵を切ることで、“経営者が自社の中長期的な成長に資する人材戦略の策定を主導し、実践に移すとともにその方針を投資家との対話や統合報告書等でステークホルダーに説明することは、持続的な企業価値の向上に欠かせない“と謳っているからである。
すなわち「人的資本経営」とは、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すことで、中長期的な企業価値向上につなげる経営のあり方となる。
●ではなぜその様な経営(人材)戦略が求められる時代なのか。
かくいう私(42)も20年前に入社した大手上場企業に新卒入社した時代は、終身雇用、年功序列が当たり前とされていた環境であった。ところが今日において終身雇用という考え方はもはや崩壊しつつあり、ジョブ型(成果重視)が主流となっている。
ゆえに、優秀といわれる社員ほど自身のキャリアアップの為、より良い待遇や環境を求め転職、もしくは独立の道を選択する事が容易な時代であり、人材の流動化が進む一方である。
だからこそ企業は「採用」だけでなく「育成」も併せて人材戦略に組み入れる必需性が出てきた事は言うまでもない。
もはや従業員をリソース(資源、コストなど)と捉える時代は幕を閉じ、重要な人財(資本)としてヒトに投資をする時代の到来と認識しなければならない。
その費用対効果は自社採用への反響や従業員の生産性にも寄与し、最終的に従業員エンゲージメントに繋がることとなる。
もはやエンゲージメントが低い組織は、人材離れが加速し、人材不足や業務兼任が溢れ、従業員が疲弊し組織が淘汰されていく蓋然性が高まるといっても過言ではないだろう。事実、それを危惧した経営者が増した為、注目度が上がったといえる。
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識学におけるエンゲージメントとは?
ではどの様にしてエンゲージメントを高めていかなければならないのか。
ここでは従業員エンゲージメントに焦点を当て、識学を通して高める方法を述べていく。
「企業に対する信頼感や理解を示しており、”会社に何か貢献をしたい”という意欲」を構築する考え方を持っている状態こそエンゲージメントが高いと言える。ポイントは会社組織/従業員どちらに選択権があるかである。
よく勘違いされる従業員満足度(ES)と従業員エンゲージメントは全く別物の認識を持ってほしい。
なぜなら満足度というのは従業員側に選択権があるため、必ずしも組織の目指すベクトルと一致しているとは限らないからだ。
それを良かれとし追い求めた結果、従業員が真逆の方向に向かわせる事にもなりかねないので注意してほしい。
上述を踏まえ、本題の識学において、エンゲージメントを高める方法はシンプルに2つ
従業員に「①所属意識」を持たせ、公平平等な「②評価と査定」を行うことで実現可能と考えられる。
・人はどうすれば「所属意識」を持つのか
つまりどうすれば意識上自分が所属している会社に位置しているかを正しく認識できるか、その答えはルール遵守にある。
つまり、同じルールを守っている人を人は仲間だと認識し、本人もその仲間の一員だと認識する。
だからこそこの原理から所属意識を持たせる為の出発点として、まず会社は所属する以上は守るべきルールを明確にし、それを遵守させることが求められるのだ。
目指すべきゴールを明確にするため定量的に設定し「評価と査定」を繰り返す事で、人は自発的に成長意欲や志向が高まる。
その結果、組織に居続ける事に有益性を感じられれば、従業員が働く上で持続可能な環境を用意するだけである。
正にそれが評価制度と言えるだろう。
まとめ
最後に、エンゲージメントを高める事は意図的ではなく勝手にあがるものと認識していただきたい。
管理者は組織を離れていく人間に対し当人や外部環境の責任とせず、自身の日々のマネジメント(言動)や社内環境が招いた温床なのだと自責の意識を持つことが自組織の明日なる成長に繋がるだろう。
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識学シニア講師 池畑 謙
2004年に青山学院大学卒業後 、日系化粧品メーカーにて10年間勤務。その後別業界からのオファーがあり、小型航空機を活用した観光事業の新規立ち上げに参画するため、転職。米国航空機製造メーカーを買収し、国内初の航空機製造・商社・運航会社として国内外の富裕層を中心に120億円の売上に貢献。
その後不動産会社に移り、宅地建物取引士として小口化商品を活用した財務コンサルティングを行う。約半年で全社トップの売上を達成。これまでのプレイングに注力した自身のマネジメントに疑問を感じる中、識学と出会いロジックに感銘を受け転職を決意。
株式会社P-UPneo識学シニア講師として現在に至る。