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コーポレートガバナンスとは?ガバナンスの目的や取り組み事例を解説

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コーポレートガバナンスとは?ガバナンスの目的や取り組み事例を解説

不正や不祥事の発覚により、企業価値や信頼が失墜する例は少なくありません。そのような状況下で、コーポレートガバナンスの重要性が増しています。適切な企業統治を行っていくうえで、企業内の不正を未然に防止するための策を講じる必要があるでしょう。
この記事では、コーポレートガバナンスとは何かについて解説します。また、実際の取り組み事例や強化方法を把握して、知識を深めていきましょう。

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コーポレートガバナンスの定義

コーポレートガバナンスの定義
よく耳にするコーポレートガバナンスですが、その意味をしっかりと説明できる人は多くないでしょう。まずは、コーポレートガバナンスとは何かについて解説します。

■コーポレートガバナンス(企業統治)とはどういう意味?
コーポレートガバナンスは、日本語で「企業統治」と訳されます。その意味は、健全な企業経営が行われるように、監視・統制する仕組みのことです。
法令順守を徹底し、不祥事や不正がないことはもちろん、男女平等に働ける状態のことを指します。

企業によって取り組み方はさまざまで、法的な定めは存在しません。しかし、国際的な重要度が高まっており、長期的な企業成長を目指すうえで必要不可欠といえるでしょう。


■コーポレートガバナンスと内部統制の違いは?
コーポレートガバナンスの類似語に「内部統制」があります。どちらも健全な企業経営を営むためのものですが、仕組みが異なります。
内部統制は経営者が従業員を監視するのに対して、コーポレートガバナンスは株主や取締役会などが経営者の不正を防止する仕組みです。

コーポレートガバナンスと内部統制は「誰が・誰に対して監視するのか」が違います。ただし、企業の成長のためにはどちらも必要な制度だといえるでしょう。


■コーポレートガバナンスコードと5つの基本原則とは?
金融庁と東京証券取引所が「持続的成長に向けた企業の自律的な取組を促すため」、コーポレートガバナンスコードを公表しています。
5つの基本原則は以下のとおりです。

1) 株主の権利・平等性の確保
2) 株主以外とのステークホルダーとの適切な協働
3) 適切な情報開示と透明性の確保
4) 取締役会等の責務
5) 株主との対話

また、2022年4月の再編により、東京証券取引所の「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場でコーポレートガバナンスコードが適用されています。
市場区分で遵守の範囲が異なりますが、上場企業には必須のガイドラインとなっています。

コーポレートガバナンスの目的3つ

コーポレートガバナンスの目的3つ
コーポレートガバナンスを強化することで、企業価値の向上につながります。ここでは、企業がコーポレートガバナンスに取り組む3つの目的を確認しましょう。

■目的1:企業経営の透明性を確保すること
健全な企業経営をするためには、株主などへの情報開示が大切です。経営課題や戦略、財務状況などの情報を適切に開示することで、社会的な信頼性が向上します。
経営が公正に行われていれば、コーポレートガバナンスを機能させられるでしょう。ステークホルダーとの信頼関係を構築していくためにも、企業経営の透明性の確保は必要不可欠です。

■目的2:株主の権利と平等性を確保すること
株主は企業の実質的な所有者でもあります。経営者は株主から経営を一任されている認識を持たなければなりません。そんな彼らの言葉に耳を傾け、意見を適切に吸い上げることで、株主の権利と平等性の確保につながります。コーポレートガバナンスは、すべての株主に対して平等性を保つ役割を持ち、経営者は理解を得られるように努める必要があります。

■目的3:ステークホルダーの権利や立場を尊重すること
会社の持続的な成長のためには、ステークホルダーの存在は欠かせません。顧客・取引先・従業員などさまざまなステークホルダーとの協働が必要です。株主や投資家だけでなく、ステークホルダーの権利や立場を尊重するように努めましょう。経営陣がステークホルダーとの連関を意識することが、コーポレートガバナンスでは重要となります。


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コーポレートガバナンスを強化する方法

コーポレートガバナンスを強化する方法
ここでは、コーポレートガバナンスの強化方法を解説します。短期間で実現するものではないため、中長期的な計画で実施していくことが大切です。

■内部統制の構築・強化

まずは、内部統制の構築と強化から始めましょう。どれだけ経営陣がコーポレートガバナンスの強化を目指しても、組織として統治できていなければ意味がありません。
内部統制の仕組みをしっかりと機能させるためのルール作りをしていきましょう。

日々の業務遂行のなかで不正や違反行為が横行しないよう、監視体制を整えます。内部統制を適切に機能させることで、コーポレートガバナンスの土台となります。

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■社外取締役・監査役による委員会の設置

企業経営の透明性を保つために、社外役員の積極的な登用を行いましょう。社外取締役や監査役による委員会の設置で、経営陣による不正の防止につながります。
第三者の視点で監視体制を作ることで、管理された仕組みが維持できるでしょう。

また、第三者の意見を取り入れることは風通しの良い組織の構築も期待できます。客観的なフィードバックを受ければ、これまでにない新しい視点が見えてきます。

■執行役員制度の導入

法律上は任意の役職で、取締役とは別に選定されるのが執行役員です。業務執行の責任と権限を持つ「事業運営のトップ」の導入も検討しましょう。
取締役の負担を減らし、分離させることで、企業の管理体制の強化につながります。

日本の企業は欧米に比べて取締役は多い一方で、機能していないといった課題が挙げられます。執行役員制度を導入することで、業務の効率化が期待できるでしょう。


■コーポレートガバナンスを社内で周知させる

コーポレートガバナンスの強化には、社内全体で取り組まなければなりません。株主や社外だけでなく、従業員にも方向性などを明確に示しましょう。
社内周知・浸透させることで、ひとり一人の自覚を芽生えさせるきっかけにもなります。マニュアルや行動規範を作成するだけにとどまらず、セミナーなどでも繰り返し伝えることが大切です。

コーポレートガバナンス強化に成功した企業の取り組み事例

コーポレートガバナンス強化に成功した企業の取り組み事例
企業価値を高めるために、コーポレートガバナンス強化に取り組む企業が増えています。ここでは、企業の取り組み事例として参考にしたい2社を紹介します。

■取り組み事例1:花王株式会社

花王株式会社は、コーポレートガバナンスを経営上のもっとも重要な課題として位置づけています。企業理念である「花王ウェイ」を基盤とした取り組みを続々と行っています。
たとえば、2022年3月には取締役会の多様性を確保し、9名の取締役が選任されました。また、取締役会14名中7名が独立社外役員とするなど、高いレベルでの見直しをしています。

参考:花王株式会社「コーポレート・ガバナンス

■取り組み事例2:パナソニックホールディングス株式会社

パナソニックでは、コーポレートガバナンスを経営基本方針を実現するための重要な経営基盤と認識しています。ガバナンス強化のために、5名の監査役によって構成される監査役会を設置しています。
運営状況だけでなくガバナンスのあり方を監視し、取締役の職務の執行や経営活動の監査を行うなど、第三者視点での監視体制が整備されています。

まとめ

企業価値を高めるためにも、コーポレートガバナンスの強化は必要不可欠です。企業ごとに取り組み方はさまざまですが、成功事例を参考に導入してみましょう。ただし、コーポレートガバナンスは短期間で成果が出るわけではありません。中長期の視点で自社にとって何をすべきなのかを考えながら、適切なガバナンス強化の方法を探ってみてください。


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識学上席講師 大熊 憲二

2011年入社 ソフトバンク事業部に配属となり、史上最速の9ヵ月でマネージャーに昇進し、店舗拡大に貢献。
2014年モバイル事業部移動となり、業界全体が縮小傾向で低迷する中、200坪以上の超大型店等の新規出店に従事。
2016年に識学と出会い、識学に基づくマネジメントを徹底し、モバイル事業統括として史上初の年間目標完全達成を記録。
株式会社P-UP neo取締役常務執行役員兼識学上席講師として現在に至る。

大熊 憲二
 
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