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人事評価制度の設計が必要な背景や手順、役立つフレームワークを徹底解説

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人事評価制度の設計が必要な背景や手順、役立つフレームワークを徹底解説

昨今では、人々の新たな働き方や政府主導の労働環境の整備により、人事評価制度の再設計が求められています。人事評価制度を適切に再設計するためにはどうすればよいのか、悩みを抱える経営者も多いのではないでしょうか。

この記事では、人事評価制度の重要性や再設計が必要な背景、設計手順を解説します。人材流出の予防や社員のモチベーションアップにつながる人事評価の設計方法がわかりますので、ぜひ参考にしてください。

 
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人事評価制度の設計は重要

人材流出を防いだり、社員のモチベーションを高めたりするためにも、人事評価制度の最適化は重要です。多くの会社にとって、重要事項の1つといってもよいでしょう。しかし評価制度の最適化が不十分で、会社の人事評価に満足していない社員も多くいます。

2019年に人事ポータルサイト「HRプロ」は、人事評価に関する実態調査の結果を発表しました。調査内の「人事評価について満足しているか?」の問いに対する回答結果は、次のとおりです。

・満足している:19.0%
・どちらでもない:39.7%
・満足していない:41.3%
参考:8割以上が人事評価に満足せず。「人事評価」に関する実態調査から見えた不満原因とは|HRプロ

調査の結果によると、人事評価について満足していると回答した社員は20%にも達していません。

人事評価制度の良し悪しは、社員の職場に対する満足度にも影響します。会社の職場環境を整えるためには、人事評価制度を適切に設計することは重要といえます。

人事評価制度の設計が必要な背景や手順、役立つフレームワークを徹底解説

人事評価制度の再設計が必要になる背景

すでに人事評価制度を設計している会社も、見直しが必要な場合があります。既存の人事評価制度の見直しが求められる理由として、働き方を取り巻く制度や環境の変化が挙げられます。ここでは、再設計が必要になった背景を3つ紹介します。

不合理な待遇差の禁止

令和2年4月1日から施行された「パートタイム・有期雇用労働法」により、雇用形態ごとの不合理な待遇差が禁止されました。つまり同一労働同一賃金が求められるようになり、新たに人事評価制度の再設計が必要な会社もでてきました。

非正規雇用のパートタイマーやアルバイトと、正規雇用の社員とで不合理な差異が存在する場合は、人事評価制度を見直す必要があるでしょう。

転職率が上昇した

就業者数に対する転職者数の割合である転職者比率は、一昔前に比べると高い状態を維持しています。

総務省統計局が発表した「労働力調査 長期時系列データ」によると、1984年の転職者比率は2.9%でした。そこから1980年代を経て徐々に上昇し、2000年に入ると概ね4%後半から5%で推移しています。2000年以降は転職者の割合が高い傾向を維持しています。

近年は、キャリアアップを目指して転職をしたり、ライフステージに適した働き方を求めて転職したりする人がより増えています。転職者にも適正な評価を下せるような人事評価制度を設計する必要があります。

参考:統計局ホームページ/労働力調査 長期時系列データ

働き方の多様化

働き方の多様化により、新しい人事評価制度が必要になりました。たとえば、リモートワークで働く社員が増えて、従来の人事評価制度では通用しないこともあるでしょう。

従来は、社員の仕事に取り組む姿勢や様子から上司が評価することができました。しかしリモートワークになると、社員同士が直接顔を合わせないため、上司が部下を観察できません。

テレワークでは成果の過程を目視しで確認しづらいのです。そのため、業務スピードやレスポンスを数値で定量化して評価できるような制度設計が必要でしょう。

人事評価制度を設計する9つの手順

人事評価制度を設計する場合は、この9つの手順に従うと、適切に構築しやすいです。参考にしてください。

方向性を定める

自社の経営理念や基本理念を確認して、人事ポリシーを考え、人事評価制度の方向性を定めます。人事ポリシーとは会社や経営者の人材に対する考え方を反映し、会社の価値観に根差した人事方針です。人事制度を整備する際の指針となるため重要です。

現状を把握する

自社が人事評価で抱える課題を分析したり、ヒアリングを実施したりして社員の評価に対する満足度を調査します。具体的には人件費や人員構成、賃金水準などについて現状を分析するとよいでしょう。現状を把握した結果を各種制度の設計に活かせば、社員の希望を汲み取った人事評価制度を作れます。

等級制度を設計する

等級制度とは、決められた基準によって、社員を等級で区別する制度です。職務や職能、役割で分類されることが多いです。等級の階層数や等級を達成するための条件なども設計します。

評価制度を設計する

評価制度とは、社員が仕事に取り組む姿勢や能力、成果、貢献度などを一定の水準で評価する制度です。評価項目や基準、方法などを決めます。評価制度は社員のモチベーションに大きな影響を与えるため、慎重に設計する必要があります。

報酬制度を設計する

報酬制度とは、社員に支給する報酬を決定するための制度です。金銭面の報酬については、自社の給与格差や他社の賃金水準、景気や物価などの要因を考慮して決定します。

報酬には給与や賞与、退職金などの金銭だけではなく、仕事や権限、学習機会などの非金銭的報酬も含まれます。社員の誰が見てもわかりやすい報酬制度にすることが大切です。

人材教育制度を設計する

会社の事業推進を担える人材を育てるために、教育制度を設計します。たとえば、階層ごとに必要なスキルや知識を学習するための階層別教育や、各職種の専門スキルを高めるための職種別教育などが考えられます。

福利厚生を設計する

福利厚生を充実させると、新入社員の採用時に自社のアピールにつながったり、社員の定着率の上昇にもつながったりします。社員数に比例してコストが上昇するため、将来的なコストも考慮して設計する必要があります。

シミュレーションを実施する

会社の利益を圧迫したり、社員のモチベーションを低下させたりしないためにも、運用開始前にシミュレーションをすることをおすすめします。人件費や人材教育、福利厚生を長期的に安定して運用できるように、見込まれる費用もシミュレーションに含めましょう。

また、社員の反発や不公平感を招かないようにするためにも、運用前に再設計された人事評価制度について、説明しておく必要があります。

運用と改善を実施する

人事評価制度の運用を開始した後は、改善を加えることが重要です。会社目標と個人目標の方向性があっているのか、人事教育による成果がでているのかなどを確認することをおすすめします。経営者の意見だけではなく、社員にもヒアリングを続けて、会社で働く人が納得できる人事評価制度を整えましょう。

人事評価制度の設計が必要な背景や手順、役立つフレームワークを徹底解説

人事評価制度の設計に役立つフレームワーク

人事制度を設計する際には、フレームワークの利用も有効です。フレームワークを設計すると、会社の人事関連の課題や原因を分析できます。ここでは、SWOTと人材ポートフォリオマネジメントについて解説します。

SWOT

人事制度のSWOTをもとに、経営者からヒアリングして課題を抽出すると、人事評価制度を設計する際の方向性が見えます。SWOTとは以下の頭文字を取った言葉です。

・強み(Strength)
・弱み(Weaknesses)
・機会(Opportunities)
・脅威(Threats)

外部環境に該当する「機会」や「脅威」、内部環境に関係する「強み」と「弱み」をかけ合わせて分析します。たとえば、「英語ができる人材がいない」という弱みは、「外国人を積極的に採用する」という機会として捉えることも可能です。

「弱み」を「機会」と考えると、社内で英語を話す場が増え、英語が話せる人が増える可能性があります。抽出された課題をもとに、人事評価制度の方向性を決定するのに役立ちます。

人材ポートフォリオマネジメント

人材ポートフォリオマネジメントとは、会社が高いパフォーマンスを発揮するための適材適所を導き出すための分析です。

人材ポートフォリオがあると自社の人材数を分析したり、目標とする人材数を把握したりできます。そのため、人事評価制度の設計にも役立てられます。また、一律に成果主義や能力主義に頼った評価制度にすることによって起こる人材配置の不適合を防げます。

実際に人材ポートフォリオマネジメントで分析する場合は、人材を2軸4象限に分類します。その場合は、自社の事業活動に合わせて項目を考えるとよいでしょう。その他にも、業務の性質で分類したり、雇用形態で分類したりする方法が考えられます。

まとめ

適正な人事評価制度の設計は、会社の経営を順調に進めるためにも重要です。特に昨今は、政府主導の職場環境の健全化や、働き方の多様化も進んでいます。現在の状況に合わせた人事評価制度の再設計も求められるケースも増えています。

人材評価制度を自社で設計するためには、複雑な制度設計を行ったり、新たな制度の検証をしたりする必要があります。自社で設計するのが難しい場合は、人材マネジメントの専門家に依頼してみてはいかがでしょうか。

弊社は、組織運営理論を体系化した組織マネジメント理論「識学」の唯一のパートナー企業です。「識学」を弊社に導入したところ人材マネジメントで高い効果を上げました。その導入経験をもとに、識学の導入サポート、人材育成マネジメントをお手伝いします。人材育成について課題がある場合は、ぜひ弊社にご相談ください。

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識学上席講師 大熊 憲二

2011年入社 ソフトバンク事業部に配属となり、史上最速の9ヵ月でマネージャーに昇進し、店舗拡大に貢献。
2014年モバイル事業部移動となり、業界全体が縮小傾向で低迷する中、200坪以上の超大型店等の新規出店に従事。
2016年に識学と出会い、識学に基づくマネジメントを徹底し、モバイル事業統括として史上初の年間目標完全達成を記録。
株式会社P-UP neo取締役常務執行役員兼識学上席講師として現在に至る。

大熊 憲二
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