目次
はじめに
「部下の育成方法に不安がある!」
「部下って叱った方がいいの?」
「部下の正しい管理手法が知りたい!」
このように考えている経営者やリーダーの方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、「上司の絶対にやってはいけない行動」について分かりやすく解説していきます。この記事を読めば、「上司として部下をどのように管理していくべきなのか」を理解できるでしょう。部下の育成に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
部下を𠮟ってはいけない
皆さんは、「上司の絶対にやってはいけない行動」と聞いて、何か思いつくでしょうか?
よくある回答例としては、以下が挙げられるでしょう。
・ほったらかしにする
・部下の人格を否定する
・目的を伝えずに指示だけ出す
・愚痴や悪口を言う
・プライベートの詮索をする
・残業を評価する
・部下の好き嫌いを表に出す
もちろん様々なNG行為があるのですが、今回取り上げたいテーマは、「部下を叱ってはいけない」ということです。
「叱る」という行為がそもそも正しいか正しくないか、という話をしたいわけではありません。基本的に、「叱る」という行為には意味がないよね、という話をさせていただきます。
例えば、私が「これおかしいだろう」「なんで目標未達なんだよ」「全然ダメじゃないか」といった具合に、部下を叱ったとするじゃないですか。もちろん、叱ることによって「ちゃんとやらなきゃな」と反省してくれる社員もいるのですが、実はデメリットも大きいんですね。というのも、叱った結果、私のことが(つまり上司のことが)怖くなってしまうんです。
私も役員という立場で仕事をしているので、やはり上下関係はどうしても生まれてしまいます。役員という会社の中でもかなり高い位置にいる人間から何か言われれば、当然、メンバーたちは従ってくれるかもしれません。
しかし、マネジメントって、上司にやってもらったもののモノマネになるケースが多いんですよね。私に思いっきり叱られている管理職の人達は、おそらく部下に対して同じようなマネジメントをしてしまうでしょう。「思いっきり叱るマネジメントが普通なんだ」という思考になってしまっているからです。
すると、課長やマネージャーといった中間管理職の人達も、「思いっきり叱るマネジメントが普通なんだ」という思考になっていくわけです。結果的に、「〇〇部長はいつも怒っているな」「〇〇課長って怖いよね」と感じてしまう部下が増えていくのです。
叱ることのデメリット
それでは、「叱ることのデメリット」について具体的に見ていきましょう。
主なデメリットは、以下の2つです。
・部下がミスやトラブルを報告しなくなる
・部下が上司に従わなくなる
まず1つ目のデメリットは、「部下がミスやトラブルを報告しなくなる」ことです。
単純に、上司のことを怖がっていれば、ミスしていることや事故ったことを伝えづらくなりますよね。だからこそ、結果的に、現場のトラブルや問題点などが上司の耳に入らなくなってしまうわけです。あるいは、上司の耳に入るのがものすごく遅くなってしまうわけです。
そのため、「現場事情を把握していないまま部下に指示を出すようなリーダー」が増えてしまうのです。その結果、さらに何度も何度も問題が発生したり、訳の分からない行動をするメンバーが出てきたりと、良くない悪循環に陥る可能性が高くなります。
2つ目のデメリットは、「部下が上司に従わなくなる」こと。
例えば、社長や役員といった会社のトップ層から「ああしなさいこうしなさい」と言われたら、素直に「承知しました」となるかもしれません。しかし、ちょっとしたお兄ちゃんくらいの立ち位置の上司に「お前こうしろ」と強く言われた場合、やっぱり「従いたくない」という思考になってしまいますよね。
要は、叱ったり怒ったりすることによって、人間が怖くなってしまうわけです。そして人間が怖くなってしまうと、部下は部下として機能しなくなります。ゆえに上司側も、部下を指揮命令することが難しくなってくるのです。
正しい管理手法は何か?
では、部下をどのように管理するのが正解なのでしょうか。正しい管理手法は何なのでしょうか。
結論から言うと、「冷静に・淡々と・無機質に管理していくこと」が求められます。
「冷静に・淡々と・無機質に管理する」という言葉だけ聞くと、すごく冷たそう・なんか怖そうみたいな感じで捉えられてしまうかもしれませんが、もちろんそういった意味ではありません。
以下で、正しく解説していきます。
そもそも、部下を叱りたくなる状況とは、どのような状況でしょうか?
100%のゴールをここで求めていたにもかかわらず、「全然その手前にしか行けなかった」とか「スピードが遅かった」という状況だと思います。このような状況では、やっぱり部下に対して叱ったり怒ったりしちゃいますよね。
しかし、これは正しい管理手法ではありません。
正しい管理手法とは、一言で言うと、「どうやって・どこまで行けるのか」を再設定することです。次・次・次というマネジメントをしていくことなんです。
正しい管理手法の具体例
上述の通り、正しい管理手法とは、「どうやって・どこまで行けるのか」を再設定していくこと。ビジネスだと、少しイメージしづらいかもしれませんね。
例えば、私がサッカーチームの監督をやっているケースを考えてみましょう。監督の言う通りプレーして、完璧な状態で試合に勝った場合は、選手たちを叱るようなことはないと思います。
叱ったり怒ったりするのは、試合に負けたときですよね。負けてしまった選手たちに対して、「お前ら何やってんだ」「おかしいだろそのプレー」「ちゃんと戦術理解してんのか」みたいなことを言ってしまうわけです。
もちろんこのようなマネジメントは間違っています。
正しいマネジメントとは、以下のような管理手法のことを言います。
1. はい試合に負けました。
2. 来週の試合相手はここです。
3. この試合相手に勝つためにどうやってやる?
4. これから何をする?何を変える?
例えば、決勝トーナメントの場合は、1回負けたら終わりですよね。でも仕事って、ある意味で「一生終わらないリーグ戦」なんです。
常に毎週毎週試合、もう毎日毎日試合みたいなイメージです。だからこそ、一段ステップアップするだけでOKなんです。一段ステップアップして、さらにもう一段ステップアップしていく。これを繰り返すことが重要だと言えるでしょう。
次の試合に向けて、ちょっとでもレベルが上がればそれで十分です。サッカーの試合で、最初は10対0で負けてしまっても、次は9対0になっていれば良いのです。その次は8対0、その次は7対0、そして5対1くらいにステップアップしていく。このような管理を続けることが、上司の役割なんです。
上司・リーダーがやらなければならないのは、決して部下や社員を叱ることではありません。「次の試合を用意する」ことです。
本日のまとめ
「上司の絶対にやってはいけない行動」について分かりやすく解説しました。
重要なポイントをまとめると、以下の通りです。
- 部下を𠮟ってはいけない
- 部下を叱ってしまうと、ミスやトラブルを報告しなくなる
- さらに、上司に従わなくなる可能性がある
- 冷静に、淡々と、無機質に管理していくことが重要
当メディアでは、他にも部下育成や組織運営に関する解説記事をアップしておりますので、ぜひ参考にしてみてください。また、疑問点や不明点等がある方、識学に興味がある方は、お気軽に弊社までお問い合わせください。
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