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ナラティブとは?ビジネスで活用できる場面やメリットを解説

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ナラティブとは?ビジネスで活用できる場面やメリットを解説

「ナラティブ」という言葉をご存じでしょうか?近年ビジネスシーンで注目されている用語です。
しかし、最近話題になってきている用語のため、詳しく知らない方も多いはずです。そこで、本記事ではナラティブの意味やビジネスで活用できる場面について解説していきます!

 


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ナラティブとは

ナラティブストーリー
ナラティブ(narrative)とは、直訳すると「物語」や「語り」を意味し、語り手自信を主役とした物語を表します。もともと、文学理論上の用語として使われていた言葉ですが、現代ではビジネス・医療・臨床心理・教育などの現場で使用されています。「ナレーター」や「ナレーション」はこのナラティブから派生した言葉です。

ストーリーとの違い

ナラティブとよく似ている意味の言葉に「ストーリー」があります。ストーリーは物語の筋書きの事で主人公やその他の登場人物をメインに話が展開されていきます。
「伝えたい内容」を軸とし、起承転結があるのが特徴です。それと比較してナラティブは語り手が物語を展開していき、必ずしも起承転結が存在するわけではありません。
また、ストーリーのように複数人物は登場しません。完結していなくても構わない自由な物語、というイメージでとらえるとよいでしょう。

ナラティブアプローチとは

ナラティブアプローチ
近年ビジネスにおいて注目を浴びているのが「ナラティブアプローチ」です。
ナラティブアプローチとは、例えばある悩み・問題を抱えた相談者がいるとし、その悩みや問題を「私を主語」にした「物語」として語ってもらいます。
その語りの中から、相談者の「考え方」「思い込み」を明らかにし問題解決の方向性を探っていく対人支援の手法です。

では、このナラティブアプローチはどのような場面でビジネスに活用されるのでしょうか。
ナラティブアプローチは、上司と部下や、従業員と企業カウンセラーとの関係で使用されます。

例えば、「上司に嫌われている」と思っている従業員がいたとします。そこで、「なぜそう思うのか?」と問い、「仕事をたくさん押し付けてくるから」と語ったとします。
これを「信用・期待されているから仕事を任されているのだ」と置き換えることができればナラティブアプローチは成功となります。


ナラティブアプローチが職場にもたらすメリット

ナラティブアプローチを意識した対話が職場内に増えると様々な利害の対立が解消する可能性があると言われています。

■上司と部下の関係性の改善
例えば、「上司は自分の考えを理解してくれない。」と悩みを持っている部下がいるとします。その悩みの根底には「自分が正しいのであって、上司が間違っている。」という考えがあります。
これでは自分の正当性ばかりを主張しており、関係はさらに悪化してしまう可能性が高いです。
ナラティブアプローチを意識した対話において部下は上司の話を聴くとき自分の正当性や先入観を手放し、上司の話を受け入れ、上司も部下の思いを受け止める努力をします。
このような対話を重ねることで相手の立場や考えの背景を理解することができ、関係性の改善の第一歩となります。

■課題の発見
ナラティブアプローチによって課題を発見

対話が少ない職場においては各人が目先の仕事に追われ、内在する複雑な問題に目を向けないことから、仕事がスムーズにいかなくなることがあります。
その違和感を覚えながら原因を放置している状態であるため、打開するためには「違和感の正体」を対話により突き止める必要があります。
こうした対話により、課題が発見され、職場環境の改善につなげることが出来ます。

■新たなアイデアが生まれる
ナラティブアプローチを意識した対話が浸透することで従業員間での接点が増えます。
それぞれの立場や置かれた状況を相互に理解した上で力を合わせ、課題に向き合えば以前とは違う視点のアイデアが生まれる可能性があります。

ナラティブアプローチのポイント

ナラティブアプローチをする場合は次の3つのポイントを抑えましょう。

・傾聴
・問題を外在化
・話し合う


■傾聴
ナラティブアプローチに欠かせないのが、「傾聴」です。
上司と部下の場合は上司として「傾聴」することで部下のドミナントストーリー(思い込んでしまっている、ネガティブなストーリー)を聞き出します。
もしここで、最後まで話を聴かず途中でアドバイス等を始めてしまうと、正反対のアプローチとなってしまうため、注意しましょう。
上司は傾聴して部下の中のドミナントストーリーを集めていくことが必要になります。
ナラティブアプローチのポイント傾聴

■問題を外在化

次に上司は問題点を外在化させ、部下自身が問題と客観的に向き合えるようにします。
単純に上司として部下にアドバイスをするのではなく、質問することで部下が自分自身の中にあるドミナントストーリーをあらゆる角度から考えられるようにし、ポジティブなストーリーに置き換えます。

■話し合う
最後にしっかりと上司部下で「話し合う」ことが重要です。
上司は部下と対話することで部下の中にあったドミナントストーリーが前向きなストーリーとして書き換えられていくのを促します。

ナラティブマーケティングとは

ビジネスにおける「ナラティブ」には、「ナラティブマーケティング」というものもあります。
ナラティブマーケティングとは、顧客自身の物語にアプローチしていくマーケティング戦略の事です。
顧客それぞれが語るストーリーにアプローチした手法であり、企業と顧客のコミュニケーション方法です。
従来は作り手や売り手側のストーリーで商品を販売していましたが、具体的にはどうやって作られたのか、高品質の材料である開発に何年かかったか等の情報を商品の販売に活用する手法です。
これに対してユーザーの物語を想像することでそこにどんなベネフィットを付加できるのかということを訴えていくのがナラティブマーケティングです。

その企業や商品、サービスと接した顧客自身が創造する物語にアプローチすることで今までは企業主体で発信するのみであったコミュニケーションを、顧客一人ひとりを主役にしたコミュニケーションに置き換えることで、共感を増幅させることができます。
日本では、まだあまり見られないマーケティング手法ですが、世界的に注目されつつあります。

ナラティブマーケティングのメリット

ナラティブマーケティング
ナラティブマーケティングのメリットは大きく3つあります。

・親近感を覚えやすい

・商品の本質がユーザーに届きやすい

・顧客に寄り添った商品開発ができる


■親近感を覚えやすい
ナラティブマーケティングの主役は企業ではなく、その商品やサービスを使用する顧客自身です。「自身の生活にその商品を取り入れた時、どのような物語が生まれるのか」という部分にスポットライトを当てることで、顧客ごとに物語を思い浮かべることができます。
そしてその未来に愛着が湧き、価値が生まれその商品がサービス企業へ思い入れを抱くようになります。
そのため、顧客は商品・サービス、その企業への親近感を覚えやすく好感度も上がり、結果としてリピート率も高くなります。

■商品の本質がユーザーに届きやすい
例えば、「高品質素材」の原材料をいくら訴えたとしても、ユーザーにとって深い共感や思い入れは抱かれません。
企業側は「高品質なものを低価格で売っているのはすごい」と考えているかもしれませんが、そのすごさというのはユーザーには届きづらいでしょう。
「高品質素材」がもたらすユーザー主役の未来を語る方が商品の本質をより理解してもらいやすく、商品の本質の良さがユーザーに届きます。

■顧客に寄り添った商品開発ができる
顧客と企業の商品・サービスが出会うとどのようなストーリーが紡がれるのかという部分を顧客目線で考えるため、よりユーザーに響く商品の開発ができます。
顧客がその企業や商品、サービスを通してどのようなストーリーを歩むのか、という部分が重要です。

まとめ

ナラティブアプローチやナラティブマーケティングを行うことで今まで改善できなかった社内の問題解決や、企業イメージの向上・業績の向上につながるかもしれません。
是非実践してみてください。


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株式会社P-UP neo コラム制作部

株式会社P-UP neo内にある、コンテンツを企画・制作する編集部です。 マネジメント業務の助けになる記事を続々制作中です。

大熊 憲二
 
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