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病院の経営判断は財務諸表だけではわからない?組織の健康状態を見る方法
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2025/11/11
医療法人を取り巻く経営環境が、かつてないほどの速度と規模で変化しています。
診療報酬の改定、地域医療構想の進展、そして深刻化する人材不足の波。
多くの院長・経営者の皆様が、損益計算書や貸借対照表といった財務諸表と日々向き合い、病床利用率や人件費率といった経営指標を睨みながら、自院の針路を見定めようと苦心されていることでしょう。
しかし、その経営診断、果たして本当に機能しているでしょうか。
毎月の経営会議で報告される数字の変動に一喜一憂し、「なぜ、対策を打っているはずなのに、状況は一向に好転しないのだろう」と、見えない霧の中で立ち往生しているような感覚に陥ってはいませんか。
もしそうであれば、それはあなたの病院の経営診断が、最も重要な視点を見落としているサインかもしれません。
財務諸表に現れる数字は、あくまで組織の健康状態を示す「結果」に過ぎません。
真の経営診断とは、その結果を生み出している「原因」、すなわち、目には見えない「組織」の健康状態を深く、そして正確に診断することに他ならないのです。
本記事では、財務諸表だけを眺める経営診断の限界を明らかにし、病院経営のあらゆる課題の根源である「組織」の健康状態を診断するための具体的な方法論を、専門的な視点から徹底的に解説します。
経営診断、「健康診断の結果」を眺めているだけで終わっていませんか?
病院の経営診断は、人間が行う「健康診断」に非常によく似ています。
健康診断では、血液検査や画像検査を通じて、様々な数値(血圧、血糖値、コレステロール値など)を測定し、身体の状態を客観的に評価します。
同様に、病院の経営診断でも、財務諸表を基に、医業収益や利益率、病床利用率といった経営指標を算出し、経営の状態を客観的に把握します。
このプロセスは、自院の健康状態を知る上で、もちろん不可欠です。
しかし、問題はここから先にあります。
多くの病院経営が、「健康診断の結果(財務指標)を、ただ眺めているだけ」で終わってしまっています。
本当に必要なのは、その数値の裏側にある、組織の「生活習慣」を診断し、改善することなのです。
【状態を把握する】財務データから読み解く病院経営診断の基本
組織という本質的な課題にアプローチする前に、まずは自院の健康状態を客観的に把握するための「健康診断」、すなわち財務分析の基本を押さえることが不可欠です。
なぜ財務分析は必要なのか?|客観的な事実に基づき、経営状態を可視化する
財務分析の最大の目的は、院長の主観や感覚、あるいは現場の個別の声といった、曖昧な情報に頼るのではなく、「客観的な事実(データ)」に基づいて、自院の経営状態を正確に可視化することにあります。
財務分析を行うことで、
自院の強みと弱みはどこにあるのか(収益構造の把握)
過去から現在にかけて、経営状態はどのように変化してきたのか(時系列分析)
同規模・同機能の他病院と比較して、自院のポジションはどうなのか(他院比較)といったことが、誰の目にも明らかな形で明らかになります。
これは、航海における「現在地の特定」に他なりません。
どこにいるのかが正確にわからなければ、どこに向かうべきか、どのような航路を取るべきかを決めることはできません。
最低限押さえておくべき3つの視点と主要経営指標(KPI)
病院の財務状況を多角的に把握するためには、大きく分けて
「収益性」「生産性」「安全性」
という3つの視点から、主要な経営指標(KPI)をモニタリングすることが有効です。
視点① 収益性|稼ぐ力は十分か?
収益性は、病院が事業活動を通じて、どれだけ効率的に利益を生み出せているかを示す指標です。これが低ければ、どんなに質の高い医療を提供していても、事業の継続は困難になります。
医業利益率 (%) = 医業利益 ÷ 医業収益 × 100 本業である医業活動で、どれだけの利益を上げられたかを示す最も基本的な指標。この数値がマイナスであれば、本業が赤字であることを意味します。
医業収益対材料費率 (%) = 材料費 ÷ 医業収益 × 100 売上に対する、医薬品以外の診療材料費の割合。この比率が高い場合、共同購入による単価引き下げや、在庫管理の徹底によるロス削減などの検討が必要です。
医業収益対医薬品費率 (%) = 医薬品費 ÷ 医業収益 × 100 売上に対する、医薬品費の割合。ジェネリック医薬品の使用促進や、薬剤管理指導の徹底による適正使用などが、この比率を改善する鍵となります。
視点② 生産性|人や設備は効率的に稼働しているか?
生産性は、病院が保有する経営資源(ヒト、モノ、カネ)を、いかに効率的に活用し、アウトプット(収益)に繋げられているかを示す指標です。
病床利用率 (%) = (延べ入院患者数 ÷ (稼働病床数 × 歴日数)) × 100
保有する病床が、どれだけ有効に活用されているかを示します。この率の低さは、収益機会の損失に直結します。
平均在院日数 (日) = (延べ在院患者数 ÷ (新入院患者数 + 退院患者数)) × 1/2
一人の入院患者が、平均して何日間入院しているかを示します。この日数が長いほど、ベッドの回転が悪くなり、一人当たりの収益性が低下します。
職員一人当たり医業収益 (円) = 医業収益 ÷ 職員数
職員一人ひとりが、どれだけの収益を上げているかを示す労働生産性の指標。この数値が低い場合、業務プロセスの非効率性や、過剰人員の可能性が示唆されます。
視点③ 安全性|経営基盤は盤石か?
安全性は、病院の財務的な体力、すなわち、短期的な資金繰りの安定度や、長期的な倒産リスクの低さを示す指標です。
医業利益率 (%) = 医業利益 ÷ 医業収益 × 100
本業である医業活動で、どれだけの利益を上げられたかを示す最も基本的な指標。この数値がマイナスであれば、本業が赤字であることを意味します。
医業収益対材料費率 (%) = 材料費 ÷ 医業収益 × 100
売上に対する、医薬品以外の診療材料費の割合。この比率が高い場合、共同購入による単価引き下げや、在庫管理の徹底によるロス削減などの検討が必要です。
医業収益対医薬品費率 (%) = 医薬品費 ÷ 医業収益 × 100
売上に対する、医薬品費の割合。ジェネリック医薬品の使用促進や、薬剤管理指導の徹底による適正使用などが、この比率を改善する鍵となります。
財務診断だけでは「根本治療」に至らない、という現実
これらの財務指標を定期的にモニタリングし、自院の状態を客観的に把握することは、経営診断の第一歩として極めて重要です。
しかし、ここで絶対に立ち止まってはなりません。
なぜなら、これらの数字は、あくまで組織の健康状態を映し出す「鏡」に過ぎず、病気の「原因」そのものを教えてくれるわけではないからです。
「病床利用率が低い」という事実はわかっても、「なぜ低いのか」という問いに対する答えは、財務諸表のどこにも書かれていません。
この「なぜ?」を解き明かし、根本治療に至るためには、
診断のメスを、目に見える数字の世界から、目に見えない「組織」の内部へと、深く進めていく必要がある
のです。
【真因を把握する】なぜ財務指標は悪化するのか?すべての答えは「組織」にある
財務指標は、いわば川の「下流」で観測される水位のようなものです。
水位が低い(収益性が低い)という結果を見て、下流でいくら水をかき集めようとしても、根本的な解決にはなりません。
本当にすべきことは、川の「上流」、すなわち、その水量を決定づけている源泉で何が起きているのかを突き止めることです。
財務指標はあくまで「結果」。その「原因」は現場の行動にある
例えば、「医業利益」という最終的な結果は、無数の現場の行動によって構成されています。
医師が適切な診療を行い、看護師が質の高いケアを提供し、医療事務が正確にレセプト請求を行う。
これらの行動の一つひとつが、
収益(プラスの行動)と費用(マイナスの行動)として積み重なり、最終的な利益という数値に結実します
。
したがって、財務指標が悪化しているということは、その背景で、組織の目標達成に繋がらない「望ましくない行動」が、数多く発生していることを意味します。
真の経営診断とは、この「望ましくない行動」が、なぜ、どのような組織の仕組みによって引き起こされているのか、
その因果関係を解明するプロセスに他なりません。
ケーススタディ①:「病床利用率の低下」の裏側にある、入退院支援部門の機能不全と連携不足
財務分析の結果、「病床利用率が目標の90%に対し、82%に留まっている」という課題が明らかになったとします。
この時、多くの経営者は「もっと新規入院患者を獲得しろ」と、営業部門にプレッシャーをかけがちです。
しかし、組織の内部を診断してみると、全く異なる真因が見えてくることがあります。
詳しく調査した結果、この病院では、新規入院患者の受け入れを断らざるを得ないケースが頻発していることが判明しました。
その原因は、退院予定の患者の調整が常に遅れ、ベッドがなかなか空かないことにありました。
さらに深掘りすると、医師、看護師、ソーシャルワーカー(MSW)、リハビリ部門といった、退院支援に関わる多職種間の連携が、全く機能していない実態が浮かび上がってきました。
「退院調整の最終責任者は誰なのか」という役割が曖昧なため、各部署が「誰かがやってくれるだろう」と、互いに責任を押し付け合っている。
情報共有のルールが定められていないため、「主治医が退院許可を出したことが、MSWに伝わっていなかった」といったコミュニケーションエラーが日常的に発生している。
このケースにおける根本原因は、「営業力の不足」ではありません。
それは、
「多職種が円滑に連携し、スムーズな入退院プロセスを実現するための、組織的な仕組みの欠如」
なのです。
ケーススタディ②:「人件費率の高止まり」の裏側にある、生産性を下げるマネジメントの問題
次に、「医業収益対人件費率が、同規模病院の平均である55%を大きく上回る62%で高止まりしている」という課題を考えます。
財務分析だけを見れば、「職員数が多すぎるのではないか」「給与水準が高すぎるのではないか」といった結論に飛びつき、安易な人員削減や賃金カットという、組織の士気を著しく下げる危険な選択をしてしまいがちです。
しかし、組織診断を進めると、この高い人件費率が、職員の過剰な「時間外労働(残業)」によって引き起こされていることがわかりました。
そして、その残業の原因は、職員の能力不足や怠慢ではなく、院長のマネジメントスタイルそのものにあることが明らかになりました。
この病院の院長は、典型的なプレイングマネージャーであり、あらゆる業務の最終決裁を自分で行っていました。
しかし、日々の診療で多忙なため、決裁が常に遅延。現場の職員は、院長の指示を待つしかなく、業務は停滞。
結果として、日中に終わるはずの仕事が終わらず、残業せざるを得ない状況が常態化していました。
また、院長の指示自体が曖昧で、何度も手戻りが発生することも、無駄な労働時間を生む大きな要因となっていました。
この場合、根本原因は「職員数」や「給与水準」ではありません。
それは、
「院長が権限移譲を行わず、マイクロマネジメントを行うことで、組織全体の生産性を著しく低下させている」
という、マネジメントの構造的な問題です。
ケーススタディ③:「患者満足度の低迷」の裏側にある、責任所在が曖昧な組織体制
経営診断では、財務指標だけでなく、患者満足度のような非財務指標も重要です。
「患者満足度調査の結果が、年々低下している」という課題が浮上したとします。
この時、「職員の接遇態度が悪い」と結論づけ、接遇研修を実施するだけでは、問題は解決しません。
組織を診断してみると、患者からのクレームで最も多いのが「説明不足」や「部署間の連携の悪さによる、たらい回し」であることがわかりました。
「検査の結果について、主治医の先生から詳しい説明が聞きたいのに、いつ聞けばいいのかわからない」「会計で質問したら、それは医事課ではなく、病棟のクラークに聞いてくれと言われた」。
これらの問題の根源にあるのは、職員個人のホスピタリティの欠如でしょうか。
そうではありません。
「患者への病状説明は、誰が、いつ、どの範囲まで行う責任があるのか」「会計に関する問い合わせは、どの部署が一次対応を行う責任があるのか」といった、
役割と責任の所在が、組織のルールとして明確に定められていない
ことが、根本原因です。
責任の所在が曖昧だからこそ、「それは私の仕事ではない」という無責任な対応が生まれ、結果として患者満足度の低下という指標に現れているのです。
【組織を診断する】セルフでできる「組織診断」5つのチェックリスト
自院の組織に潜む、これらの根本原因を特定するために、まずはセルフチェックから始めてみましょう。
以下の5つの観点から、自院の組織の健康状態を診断してみてください。
役割|職員一人ひとりの役割と責任範囲は明確か?
院内に、全職員の役職と、その上下関係を示した、最新の組織図は存在し、周知されていますか?
各役職(看護部長、事務長、主任など)に、どのような権限と責任があるのかを定義した、職務権限規程は存在しますか?
職員は、「自分は誰に報告し、誰から指示を受けるのか」を、明確に一人だけ答えられますか?
部門間で業務の押し付け合いや、「それはうちの仕事ではない」という発言が頻繁に起きていませんか?
ルール|院内のルールは全職員に正しく認識され、運用されているか?
業務マニュアルや各種規程は、定期的に見直され、現場の実態に即したものになっていますか?
報告・連絡・相談の具体的な方法(会議、日報、メールなど)と、その期限は、ルールとして定められていますか?
ルール違反があった場合に、どのような結果(評価への反映など)になるかが、明確に定められ、実際に運用されていますか?
「昔からこうだから」という、明文化されていない慣習や、特定の個人の感覚で、業務が進められていませんか?
評価|職員の貢献度を公平に評価する仕組みは存在するか?
人事評価の基準は、全職員に公開されていますか?
評価項目は、「協調性」「やる気」といった曖昧なものではなく、「目標達成率」などの客観的な事実に基づいていますか?
評価の結果が、昇給や賞与にどのように反映されるのか、そのロジックは明確ですか?
職員から、「評価に納得できない」「上司の好き嫌いで評価が決まる」といった不満の声が上がっていませんか?
コミュニケーション|報告・連絡・相談が、正しい経路で適切に行われているか?
院長が、中間管理職を飛び越えて、現場の職員に直接指示を出していませんか?
会議の目的やゴールは明確で、時間内に結論が出ていますか?あるいは、単なる情報共有や馴れ合いの場になっていませんか?
部署間のコミュニケーションは、担当者レベルの個人的な関係性に依存していませんか?
「言った、言わない」という、コミュニケーションエラーに起因するトラブルが頻繁に発生していませんか?
マネジメント|院長や管理職は、正しい権限移譲と指示命令ができているか?
院長は、本来、管理職が判断すべき細かな業務にまで、口を出していませんか?
管理職は、プレイヤーとしての業務に追われ、部下の育成や管理といった、マネジメント業務を十分に遂行できていますか?
上司から部下への指示は、「なるべく早く」「適切に」といった、曖昧な言葉ではなく、具体的な期限や状態を示して行われていますか?
部下からの報告に対して、上司がプロセスに過剰に介入したり、感情的な叱責をしたりしていませんか?
なぜ、自院だけでの経営診断と改革は失敗するのか?
このセルフチェックを通じて、自院の組織に多くの課題があることに気づかれた経営者の方も多いかもしれません。
「明日から、これらの課題を一つずつ解決していこう」。
その決意は非常に重要ですが、残念ながら、内部の力だけで本質的な組織改革を成し遂げることは、極めて困難である、という厳しい現実があります。
客観的な視点の欠如により、本質的な課題を見誤る
「灯台下暗し」という言葉の通り、長年その組織に身を置いていると、何が問題であるのかを客観的に判断する能力は、知らず知らずのうちに麻痺していきます。
内部の人間にとっては「当たり前」であり、もはや疑問にすら思わない非効率な慣習や、不健全なコミュニケーションの癖こそが、実は組織を蝕む最大の病巣である、というケースは少なくありません。
この「当たり前」を疑う、外部からの客観的な視点なくして、本質的な課題特定は不可能です。
長年の慣習や院内の人間関係が「正常性バイアス」を生む
「これまでも、このやり方で何とかやってこれたのだから、うちの病院は大丈夫だ」。
このような、自分たちにとって都合の悪い情報を無視したり、過小評価したりする心理的な傾向を「正常性バイアス」と呼びます。
長年かけて築き上げられた院内の人間関係や、特定の有力者への忖度、そして「変化を嫌う」という組織の慣性は、この正常性バイアスを強力に増幅させます。
「問題があることは、薄々みんな気づいている。 しかし、それを指摘して波風を立てる者はいない」。
この空気が、改革への一歩を踏み出すことを、極めて困難にしているのです。
日々の診療業務に追われ、改革を断行するエネルギーがない
そして何より多くの院長は経営者であると同時に、一人の臨床医でもあります。
目の前の患者の命と向き合うという、極めて重い責務を担いながら、同時に腰を据えて組織全体の仕組みを再構築するという全く性質の異なる、そして膨大なエネルギーを要するタスクを並行して実行することは現実的にほぼ不可能です。
「客観的な組織診断」から始める、外部コンサルティングという選択肢
これらの、自院だけでの改革を阻む高い壁を乗り越え、本質的な経営改善を最短距離で、かつ確実に実行するための一つの有効な手段が、組織マネジメントを専門とする外部コンサルティングの活用です。
外部パートナーが提供する3つの価値
優れたコンサルタントは、単なるアドバイザーではありません。
改革を成功に導くための、3つの重要な価値を提供します。
価値①:客観的なデータとフレームワークに基づく、精度の高い組織診断
外部の専門家は、しがらみのない第三者の視点から、組織を冷静に診断します。
経営者や職員へのヒアリングを通じて、これまで誰も気づかなかった、あるいは見て見ぬふりをしてきた本質的な課題を特定します。
そして、その課題を、
長年の経験から体系化された理論(フレームワーク)に当てはめ、根本原因がどこにあるのかを、論理的に構造化
します。
「なんとなく組織の風通しが悪い」といった曖昧な問題意識を、「指示命令系統の混乱による、部門間の責任の押し付け合い」といった、具体的な解決可能な課題へと変換してくれるのです。
価値②:しがらみに捉われない、改革の推進力
コンサルタントは、院内の人間関係から完全に独立した立場で、組織にとって本当に正しいことは何かを、経営者に進言します。時に耳の痛い指摘も厭わない彼らの存在は、経営者がしがらみを乗り越え、改革を断行するための強力な後ろ盾となります。
「外部の専門家もこう言っている」という事実は、院内の抵抗勢力を説得する上でも有効な材料となり、改革の推進力を高めます。
価値③:再現性のある「マネジメントの仕組み」の導入支援
最も重要な価値は、コンサルタント個人の経験則や感覚に頼るのではなく、他の多くの組織で成果が実証された、普遍的で再現性のある「マネジメントの型(仕組み)」を導入してくれることです。
これにより、コンサルティングが終了した後も、病院が自律的に成長し続けられる、持続可能な組織基盤が構築されます。
院長が学ぶべきは、
個別の問題解決スキルではなく、あらゆる問題に応用可能な、組織運営の「原理・原則」
なのです。
失敗しないコンサルティング会社の選び方
ただし、コンサルティング会社ならどこでも良いというわけではありません。
特に、病院という特殊な組織の改革を任せるパートナーは、慎重に見極める必要があります。
真の経営診断とは、未来の組織の姿を描くことから始まる
本記事を通じて、病院経営における真の「経営診断」とは何か、その全体像をご理解いただけたのではないでしょうか。
それは、単に過去の実績である財務諸表を分析し、現状を把握するだけの、後ろ向きの行為ではありません。
財務分析と組織診断という、二つのレンズを通して、自院が抱える課題の根本原因を特定し、それを解決した先にある、「自院が目指すべき、あるべき組織の姿」を具体的に描き出す、未来志向の行為です。
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